十八代目 中村勘三郎襲名披露 「四月大歌舞伎」 夜の部 

評価:★★★★★

一年ぶりくらいの歌舞伎観劇。母と。す〜〜んばらしかった・・・!!!感嘆の一言。ジャパネスクに酔った。日本に生まれた事を誇らしく思う。

今回は中村勘三郎勘九郎改め)の襲名披露興行という事で、また配役が格別に豪華。勘三郎を中心に、坂東玉三郎市川團十郎市川海老蔵片岡仁左衛門、売り出し中の中村七之助含む息子2人・・・よくぞここまで揃えたもんだ。
大昔、団十郎の襲名披露にも行ったけど、ここまで贅沢だったろうか?まぁ当時ビジュアルも話題性もピークの玉三郎が相手役だったから、それだけで十分だったけど。
実は内部の人のコネで勘九郎時代の楽屋にお邪魔した事があるんだけど、すごく人当たりが良くて、歌舞伎への情熱に燃えている人とお見受けした。きっと歌舞伎界でも横のつながりを特に大事にしてるんだろうな。

●一幕「毛抜(けぬき)」
何と言っても、お悩み解決スーパースターの色事師、團十郎が最高のハマリ役!マンガチックなストーリーと相まってキャラが引き立つ。
この役でも團十郎しか着ないという、巨大な伊勢海老柄が大胆に配された特別な衣装(解説でも「当時こんな着物を着ていた人はいませんが」と言ってた・笑)で、大見得を切る豪胆な姿にはワクワク。花道のたもとで何度も目が合ってドキドキ。おかしいな私、オヤジ趣味は無かった筈なのに・・・(笑)。腰元や若い家臣に男女かまわず言い寄っては振られ、「ハッ、これは失礼を・・・」と客席にいちいち謝る姿にも超ウケ(笑)。
息子の海老蔵は、やんごとない勅使の役。芸はお父さんに比べればまだまだという印象だが、彼の長身と水際立った美しさは無類。先が楽しみだのう。

●二幕「襲名披露 口上」
歌舞伎座特有の横に長〜い舞台にズラリと、幹部俳優が頭を下げたまま並び座り、一人一人が勘三郎の襲名について祝辞を述べる。
改めて凄い顔ぶれ。それぞれに小さい頃からの知り合いだからコメントが深い。笑いも交えつつ、粋。

●三幕「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ) 」
真面目一徹の次郎左衛門(勘三郎)が吉原の美しい花魁八ツ橋(玉三郎)に一目ぼれし、最後には妖刀籠釣瓶で切り殺してしまう話。
女形のカリスマ玉三郎の真骨頂と言える芸と超絶美を心ゆくまで堪能。本人の天分、衣装、立ち居振る舞い、仕草、セリフ回し、声色・・・全てが研ぎ済まされると、ここまでの芸術が生まれるという神秘。
孝玉コンビで一斉を風靡した頃は本当に、そこに立っているだけで目が眩む美しさに、ただただ見蕩れるばかりだった。あの頃の、若さと共に時代を駆け抜ける様なエキサイティングなときめきは今も忘れないが、50代になって更に深みを増し、容色だけに頼る事なく渾身の芸を披露する玉三郎を久々に観て、年を重ねるという事は老いる事ではない、円熟する事であると思い知った。改めて彼のアーティスト性に脱帽。このまま人間国宝への道を歩んで欲しい。
勘三郎もキャラにぴったりで素晴らしかった。「見初め」の場で、艶然と微笑む八ツ橋に魂抜かれた様が、何ともまぬけで可笑しい事。その八ツ橋に入れあげた挙句、愛想尽かしされる場はもう可哀想で可哀想で・・・マジ涙出た。


それにしても、やっぱり歌舞伎座の雰囲気はいいね。
まずは建物の外観からしてアレだし、そこにあの歌舞伎文字で「○×襲名披露」ってな幟(のぼり)や垂れ幕がいくつも下がってて、周りは着物をきたりめかし込んだ熱いファンの群れ。ワクワクするね。
中に入ればお店も充実してるし。お土産関係もまずまずのセンス。今川焼きもその場で焼いてたり(笑)。
外の喧騒とは裏腹に劇場内は厳か。花道がそうなのか、ヒノキの香りが漂う。4時間半の長丁場という事で、座席は一等席でも相変わらずお尻が痛くなるが、全体的に年寄りにも優しいサービスが行き届いてるので、居心地は良し。
驚いたのは客層。十何年前は中高年が大半だったのに、半分が若いお嬢さん方。海老蔵七之助のファンなのか??
専門知識の無い私のようなミーハーファンには欠かせぬイヤホンガイドで、また深く楽しめた。解説者の、昔と変わらぬ軽妙洒脱な語り口に、また感慨ひとしお。


今回みたいな贅沢なラインナップはまたいつあるかも分からないけど、すっかり何度目かのお江戸文化ブームが降臨してしまったので、暫く地道に関連エンタメを漁ろうと思う。あ、クドカンヤジキタ、観るべき?(笑)


◆ジャニヲタ視点で◆
玉三郎の後釜をジャニ内で選ぶとしたら?』と考えてみた。(※もちろんビジュのみの話)
・山P・・・顔立ちも手足も女の子っぽいし、可愛〜い女形になりそう。
・相葉・・・つるんとしてて化粧栄えしそう。
・横山・・・案外イケると思う。黙ってれば美形なんだよね。
・中居・・・昔のスマ2での極道姐さん姿似合ってたもんなぁ〜。
※ちなみに光一はもうキモイだろうし、亮はどう考えても無理だろう(苦笑)。