ロシア皇帝の至宝展〜江戸東京博物館 5/29

評価:★★★☆☆
ロシア皇帝の至宝展〜世界遺産クレムリンの奇跡〜』



会場内で流していた、ウスペンスキー大聖堂内部のヴァーチャルリアリティ映像が、大変素晴らしかった。超微粒子で目の覚めるような美しさ。天井から数多く下がる大きなシャンデリアの光をCG加工してあり、非常に壮麗。 堂内の隅々まですべるように流れるカメラワークはどうやって得たんだろう。(光一コンとかもこんな映像で観れたらどんなにか・・・!)
音声ガイドのBGM(バロック音楽?やグレゴリア聖歌?)も心地よかった。
宝物を入れるガラスケースも小さめで配置が良くて見やすく、展示形式と雰囲気はとても良かった。


肝心のお宝については、中世のものは特に、宝石をぎゅうぎゅうに詰め込んだ重厚ゴージャスなれど、見慣れた西欧のようなデザイン的洗練が無い。そこがまた、ロシアの閉ざされ血塗られ謎めいた歴史を思わせるというか・・・。
しかし中には惚れ惚れするようなカッコイイ逸品もあって、どの皇帝だったかの黒いサーベルと、聖職者の持つ杖が非常に美しかった。有名なインペリアル・イースター・エッグももちろん凄い。


やはり300年ほど続いたというロマノフ王朝期の品が、特に優れていたように思う。日本江戸文化もそうだけど、文化が爛熟するには、長期の安定した治世が必要なんだなあ。