ヴェルサイユ宮廷美術館 「ナポレオンとヴェルサイユ展」〜江戸東京博物館 5/16

評価:★★★☆☆

借りた音声ガイドが、美術的観点よりも歴史の説明が長かったんで、時間を食ってかなり疲れた。
私の中では、戦に明け暮れた貧しく暗い英雄というイメージでしかなかったナポレオン。でも彼は、法律制定や政治にも秀でた、やはりとんでもなく頭の良い人だったのね。この時代の私の知識はといえば、おおかたベルバラに描いてある事くらいなんだけど(苦笑)、マンガの中の人物について知る事で、より効率的に歴史を理解できたのは嬉しかった。


彼はルイ王朝の華美装飾を廃し、実質主義のインテリアに切り替えたという話だけど、この現代においては、それでも十分すぎる程豪華。感覚が比較的現代風なので、私もちょっと取り入れたいようなツボがいくつかあった。
彼が特に好んだという緑色は、見たらものすごく綺麗な色で納得。やっぱりフランスの色って違うな〜。ラベンダーや赤に近い濃いピンク、目の覚めるような青と、それにエンジや高級感ある生成りの組み合わせが、うっとりする程美しい。現代でも、高級な布地やリボンの美しさにおいて、フランスは世界で他の追随を許さないものがあると思う。機能性や即時性、独自のデザイン性では、日本も突っ走ってると思うけど。


教科書で見ていた、アルプス越えや戴冠式の有名な絵画もいくつかあった。やっぱり本物の迫力は凄い。茶化し好きな自分と友では、ついつい、「絵はこんなに格好良いけど、実物はチビでデブでブサなんだろうね〜」とか「ナポレオンがハゲだったからこの“後ろから風に吹かれたようなヘアスタイル”が流行したの?」とか、不謹慎な話ばかりしちゃうんだけど。こういう一見真面目でともすると退屈(笑)な展覧会は、こういう斜め目線が有効。